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足利事件 「運転免許を取って温泉も」 菅家さん会見で(毎日新聞)

 栃木県足利市で90年に4歳女児が殺害された「足利事件」の再審で、宇都宮地裁から無罪判決を言い渡され確定した菅家利和さん(63)は26日午後、記者会見し、「裁判官3人が謝罪するとは思ってもいなかったので感動しました」と冤罪(えんざい)に苦しんだ18年間をかみしめるように語った。「運転免許を取って温泉にも行きたい」と自由な生活への期待も口にした。

 菅家さんは会見冒頭、裁判所の謝罪に「私も納得した。真っ白な無罪でしたね。感無量です」と晴れやかな笑顔を見せた。逮捕や起訴そのものが違法だったとして国家賠償法に基づく損害賠償請求については「今のところは考えていません」と語った。

 弁護団も「謝罪には非常に心がこもっていた。(判決が)DNA鑑定の証拠能力を明確に否定したのは画期的で、取り調べを違法と明言した点も素晴らしかった」と評価。また、任意性はあったとして自白の証拠能力こそ認めたものの「信用性を全否定している。完全無罪と言っていい」と述べた。そのうえで「無実の人がなぜ自白し、誰も見抜けなかったのかは未解明」と指摘。誤判原因の究明のため第三者機関を設置するよう提言していく方針を明らかにした。

 菅家さんは「弁護団、支援者の方に本当にお世話になりました」と感謝の気持ちを繰り返しが、取り調べを担当した検事や警察官への思いを聞かれると「自分としてはまだ納得できない」と表情を硬くした。

 今後は自身の経験を生かし、冤罪に苦しむ人を支援していくという。「ちょっと耳が聞こえづらいんですが、体力的には大丈夫です」。力強い言葉で約40分間の会見を締めくくった。【吉村周平、岩壁峻、松本晃】

 ◇支援者「よかったね、よかったね」

 判決直後、地裁正面玄関前で支援者らの大きな拍手が起こった。満面の笑みで姿を現した菅家さんは両手を上げて応え、「完全無罪」と書かれた紙を高々と掲げた。「よかったね、よかったね」。ともにこの日を待ち続けた「支える会・栃木」代表の西巻糸子さん(60)の姿を確認すると、西巻さんの腕に顔を押し当て、思わず嗚咽(おえつ)を漏らした。西巻さんも「前例を崩さない裁判が続いていたが、新しい時代が来た気がする。できる限りの訴訟指揮を執った裁判長に感謝したいし、立派だと思う」と興奮した様子で語った。【原田啓之】

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